AIをこんなことに使っていいのか?!最新AIを全力で無駄遣いするプロンプト3選
最新AIを、あえて全力で無駄遣い。3秒で終わる用事を壮大な会議にしたり、どうでもいい現象を本気で研究したり、最高級ホテルを絶妙に残念にしたり。プロンプトシティの『お笑い・無意味』ジャンルから、AIの真面目さを笑いに変える3つのプロンプトを紹介します。

AIは、人類の仕事を変えるらしい。文章を書き、画像を作り、プログラムを書き、膨大な情報を整理する。これまで何時間もかかっていた仕事が数分で終わり、「AIによって人間はもっと創造的な仕事に集中できるようになる」とも言われています。すごい時代になりました。
だから今回は、その最新AIを使って「机の上のペンをペン立てに戻すためだけに、大規模会議を開催する」ことにします。文明の進歩とは、いったい何だったのでしょうか。
今回はプロンプトシティの「お笑い・無意味」ジャンルから、生成AIを最高に無駄遣いできる3つのプロンプトを紹介します。仕事にも、勉強にも、たぶん人生設計にも役立ちません。でも、ちょっと笑えます。今日はそれで十分です。
優秀なAIほど、くだらない仕事を頼みたくなる
普段AIを使っていると、「このメールを丁寧にしてください」「企画スライドの構成を考えてください」「見込み客のお客様を意識して記事を書いてください」「会議の内容を要約してください」といった真面目なお願いが多くなります。AI側もかなり真面目です。こちらが雑に渡した文章でも、数秒後にはちゃんと仕事のできる人っぽい文章になって返ってきます。ものすごく便利です!
ただ、毎日そんな使い方をしていると、ふと思うことがあります。この異常に頭のいい相手に、もっとくだらないことをやらせてみたらどうなるんだろう。ティッシュを1枚取るという行為について専門家5人に議論させたり、冷蔵庫を開けたのに何を取りに来たのか忘れた現象を研究機関に調査させたり、最高級ホテルの画像を頼んだあとに「全部ちょっと残念にしてください」とお願いしたり・・・
するとAIは嫌な顔ひとつせず、本気でやってくれます。こちらがふざければふざけるほど、なぜか向こうは真面目です。この温度差が、ちょっと面白い。ここから、人類とAIの新しい関係が始まります。いや、たぶん始まらなくていい関係です。
たった3秒の作業が、なぜか国家プロジェクトになる
最初に使ってほしいのが「世界一遠回りな問題解決会議」です。仕組みは単純で、普通なら一瞬で解決できる問題を入力すると、AIがその問題を必要以上に大げさな会議案件へ変換してくれます。例えば「机の上にあるペンをペン立てに戻したい」と入力してみます。人間なら、ペンを持つ、戻す、終了。3秒です。
ところがAIの世界では、そう簡単には終わりません。「筆記具適正配置推進委員会」のような謎の組織が発足し、机代表、ペン立て代表、筆記具担当者、なぜかリスク管理責任者まで出席します。議題は「そもそもペンは本当にペン立てへ戻るべきなのか」。さらに「ペン立て収容能力調査」「移動経路の安全性確認」「机上環境への影響評価」などが検討されます。なんと、ここまででペンは1ミリも動いていません・・・
長い議論の末、最終的に出てくる結論はだいたい「担当者がペンを持ち、ペン立てに入れる」・・・最初から知っています。このプロンプトは「電気を消す」「窓を閉める」「靴下を履く」「充電ケーブルを挿す」くらいの、小さすぎる課題ほど面白くなります。課題が小さければ小さいほど会議との落差が大きくなるからです。ただし、実際の会社の会議と似すぎて笑えなくなった場合は、AIではなく組織のほうをぜひ見直してください。
リモコン失踪事件を、本気の研究テーマに昇格させる
次は「どうでもいいことを専門家っぽく分析」。これは、日常にある誰も研究していないし、おそらく研究する必要もない現象を、本格的な研究テーマへ昇格させるプロンプトです。例えば「テレビのリモコンは、なぜいつも見つからなくなるのか」。普通に考えれば、自分で置いた場所を忘れただけです・・・研究終了。
ところがAIは終わりません。まず「家庭内遠隔操作端末周期的消失現象」などという、それっぽい名前を付けます。さらに「ソファ座面圧力による端末側方移動仮説」「視覚的背景同化現象」「利用者による無意識配置記憶欠損」など、かなりもっともらしい原因を並べてきます。そのうち「リモコン自身が人間との距離を確保している可能性」といった話まで混ざり始めます。きっとリモコンにも休みが必要なのかもしれません。
このプロンプトで重要なのは、「絶妙にどうでもいいテーマ」を見つけることです。「イヤホンはなぜポケットの中で絡まるのか」「片方の靴下だけ先に消える理由」「コーヒーを入れた瞬間に仕事の連絡が来る現象」「仕事を始めようとした瞬間に机を掃除したくなる現象」など、研究対象は無限にあります。AIが壮大な考察を続けた末に「整理整頓を心がけましょう」のような結論へ着地した瞬間、数千億円規模で開発されているかもしれない技術から得られた知見が「片付けよう」だった・・・という深い味わいが生まれます。
最高級ホテルを頼んだのに、床だけブルーシート
3つ目は文章ではなく画像生成AI。「注文と真逆になるクソ画像メーカー」です。普通、画像生成AIには「高級感のある空間」「壮大な風景」「未来的なデザイン」「洗練された広告写真」など、理想に近づけるための指示を出します。構図や光、カメラアングルまで細かく伝え、どうにか最高の1枚を作ろうとします。
このプロンプトでは、その努力を一度ちゃんと受け止めたうえで、絶妙に裏切ります。例えば「東京の夜景を一望できる、超高級ホテルのスイートルーム」と頼む。夜景は完璧、ライティングも完璧、構図も映画のワンシーンのように美しい。でも床だけブルーシート。ベッドの横にはパイプ椅子。高級ワインがあるべき場所には紙コップ。惜しい・・・とにかく惜しい・・・
面白いのは、単純な失敗画像ではないところです。ちゃんとカッコいいのに、何かがおかしい。世界最高峰の秘密基地なのに入口だけ犬小屋。未来型オフィスなのに椅子だけ学校のパイプ椅子。ミシュラン級レストランなのにメイン料理が駄菓子。理想を高く設定するほど、落差も大きくなります。つまり笑いとは落差なのかもしれません。けど、そんなことを画像生成AIから教わる予定ではありませんでした。
ふざけた結果を出すために、なぜか設計は超まじめ
ここまで遊んでみると、不思議なことに気づきます。これらのプロンプトは、ふざけている割にかなり設計されています。ただ「面白いことを言って」とAIへお願いしても、意外と面白くありません。「面白い」の範囲が広すぎて、AIもどこへ向かえばいいのか分からないからです。
そこで「普通なら一瞬で解決する問題を使う」「専門家として過剰に分析する」「最後はしょうもない結論へ戻す」「画像としてのクオリティは落とさない」といったルールをあらかじめ設定します。そうすると、AIの回答が狙った方向へ寄ってきます。つまり、くだらない結果を出すために、かなり真面目にプロンプトを設計しているわけです。
ものすごく遠回りです。そして「世界一遠回りな問題解決会議」を作るために、どうすれば最も面白く遠回りできるかを真剣に考えている時点で、こちらもすでにプロンプトの世界に飲み込まれています。気づかないうちに、無意味を作るための生産性が上がっています・・・
身近な「どうでもいい」を入れると、AIは急に化ける
こうした面白いAIプロンプトは、架空のテーマよりも自分の日常を入れたほうが一気に面白くなります。なぜなら、自分だけが知っている小さなしょうもなさがあるからです。「今朝、冷蔵庫を開けたけれど何を取りたかったのか分からなくなった」「洗濯物を畳みたくない」「昨日から机の上に同じ付箋がある」「スマホを探しながらスマホのライトを使っていた」。こういう話です。
「世界一遠回りな問題解決会議」なら、一瞬で終わる用事ほどいい。「どうでもいいことを専門家っぽく分析」なら、自分しか気にしていない小さな現象ほどいい。「注文と真逆になるクソ画像メーカー」なら、できるだけ壮大でカッコいい理想を入れたほうがいい。元の素材が身近であればあるほど、AIが返してきた答えとのギャップも分かりやすくなります。
するとAIが作っているのに、妙に自分の話になります。そして、ときどき思いもよらない一文や画像が返ってきて、「何言ってんだこいつ」と笑える。AIがものすごく賢くなった今、そんな使い方も意外とぜいたくなのかもしれません。
AIで1時間を10分にしたあと、残り50分を全部無駄にする
AIのニュースを見ていると、毎日のように「さらに高性能になった」「さらに高速になった」「さらに多くの仕事ができるようになった」という話が出てきます。おそらくこれからも、AIはどんどん便利になります。1時間かかっていた仕事が10分になり、10分かかっていた仕事が1分になる。すばらしい未来です。
そうして生まれた50分で、リモコンが消える原因をAIと本気で研究する。これでいいのではないでしょうか。人間は効率化するためだけに生きているわけでもありません。意味があるものを作る時間もあれば、まったく意味のないことをして笑う時間もある。プロンプトシティの「お笑い・無意味」ジャンルは、後者にかなり本気です。
ほかにも「3秒でバレる言い訳生成」「1円も得しない節約術」「今日やらなくていいことを全力提案」など、AI技術の発展に対して少し申し訳なくなるようなプロンプトがあります。たまにはAIに仕事を頼むのをやめて、全力で無駄なことを頼んでみてください!思った以上に真面目に返してきます。
結局、一番遠回りしていたのは誰だったのか
ここまで「AIをいかに無駄遣いするか」という話をしてきましたが、ひとつだけ問題があります。この記事を書くために、「どの無駄なプロンプトが面白いか」「どう並べれば笑えるか」「どこでオチをつけるか」をかなり真剣に考えています。
つまり、AIに3秒の仕事を40分かけて会議させるプロンプトを紹介するために、人間側もかなり時間を使っています。しかも、そのことを約数千文字かけて説明しています。
どうやら今回、一番遠回りしたのはAIではなく、この記事を書いている人でした。
